開成中学合格へのレシピ
正直、どきどきしていた。
僕が緊張してちゃいけない立場なのだけれど、そのときばかりはどうにも落ち着かなかった。
なぜかって?
それは、彼の志望校が「開成中学校」だったからだ。
それまで僕は、オンライン指導で開成を志望する生徒に出会ったことがなかった。
中学受験において、塾を選ぶときに「合格実績」を気にするご家庭は多い。
それ自体は間違っていないけれど、実績というのは、生徒との出会いという“運”にも大きく左右されるものだ。
たとえ優れた指導力があっても、志望校が一致する生徒に出会えなければ、実績は生まれない。
そんな現実がある。
──話を戻そう。
どんな怪物のような子どもが来るのだろう。
名探偵コナンのように、あらゆる問題をばっさばっさと解決するタイプかな?
そんなことを想像しながら、Zoomの画面をじっと見つめていたのを覚えている。
でも、画面の向こうに現れたのは、少し緊張した面持ちの「きみ」だった。
見た目はごく普通の男の子。
メガネをかけているのは、想像していたコナン君と一緒だったけれど。
彼の名前は、ここではY君と呼ぶことにしよう。
Y君に会うと、僕はいつもあの日のZoom画面を思い出す。
それだけ、彼の成長は僕の中でも特別なものだった。
Y君の国語の偏差値は、中学受験最大手のS塾で55に少し届かないくらい。
決して悪くはない。
むしろ、文章を読む力はしっかりとあったし、問いに対する理解力もあった。
けれど、記述問題だけがいつも空欄だった。
いや、正確に言えば「書けない」のではなく、「書かない」──そんな印象だった。
テストが返ってくると、記述欄だけが真っ白。
鉛筆の跡ひとつない、綺麗な空白がそこにはいつも残っていた。
STEP2へ続く
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