記述問題では、「りんごと梨とイチゴ」といった具体例をそのまま書くのではなく、「果物」と言いかえる必要があります。
このように、具体を抽象に直すことで、字数を節約できるため、他の大事な要素も答案に盛り込むことができ、高得点につながるのです。
「気持ちってどうやって読み取るの?」「どう書けばいいの?」
小説文の記述問題に対して、こうした悩みをもつお子様はとても多いです。
そして、この悩みを解決するカギが、英才塾で実際に使われている「記述の型」です。
今回は、小説文の記述問題に取り組むときに知っておかなければいけない「3つのステップ」と「型」について、くわしくご紹介しようと思います。
説明文の記述では「理由」や「しくみ」を整理して書きますが、小説文では「気持ち」や「きっかけ」を読み取り、説明する力が問われます。
しかし、「感情」は目に見えません。
だからこそ、セリフや行動といった「見える手がかり」に注目することが重要になります。
そして、そうした情報を整理して、順序立てて書く時は「記述の型」がとても役にたちます。
小説文の記述は、以下の3ステップで考えるとぐっと整理しやすくなります。
セリフや行動から、登場人物の気持ちを読み取りましょう。
多くの場合、「うれしい」「さびしい」などとは直接書かれていません。
例:
「…うん、大丈夫だよ」
→ 本当はさびしいのに、がまんしている → さびしい・心細い
「ぼく、もうひとりでできるよ!」
→ 見てほしい・成長を伝えたい → 誇らしい・期待している
その気持ちになった「きっかけ」は何だったかを考えましょう。
例:
「がまんして笑った」 → 親が出かけることがきっかけ
「誇らしくなった」 → 自分で成功したことがきっかけ
その気持ちのもっと奥にある事情を考えます。
例:
「親と離れるのが初めて」
「いつもはできなかったけど、がんばってきた」など
記述問題では、「気持ち」を最初に考えます。
次に「なぜそう感じたのか?」と考えることで、「きっかけ」が見えてきます。
この“なぜ?”の習慣が、記述の力を深めていきます。
ちなみに「背景」はどのように考えたら良いか悩みますよね。
その時は「気持ち」から「きっかけ」を考える際に「なぜ?」と自分に問いかけてみてください。
そして、その時に「気持ち」になった2つの理由を考えてください。
その2つの理由のうち、「きっかけ」ではない方の理由を「背景」として書くとよいです。
3ステップで考えたら、次はそれを型にそって文章化していきましょう。
〈背景〉が(のに)、〈きっかけ・理由〉ので、〈気持ち〉。
例文1:
いつも親と一緒にいた が、
この日は一人で留守番することになった ので、
不安な気持ち。
例文2:
前はうまくできなかった のに、
今回は自分ひとりで成功できた ので、
自信をもてた気持ち。
「が」「のに」:〈背景〉と〈きっかけ〉をつなぐ
「ので」:〈きっかけ〉と〈気持ち〉をつなぐ
この「型」にそって書くことで、文の流れが整い、読みやすく、減点されにくい答案になります。
まずはこの形をくり返し練習して、型をしっかり体になじませましょう。
はじめは、「第1の型」で徹底的に書く練習をします。
そして、型にそって書けるようになったら、徐々に型から自然な表現に広げる「守破離(しゅはり)」の段階へと進みます。
※守破離とは、まず「型」通りにやってみて、「型」を習得した後に「型」を破って自分流にするという意味の言葉です。
「〇〇のようだ」などの直喩や、比喩的な言葉(隠喩)は記述問題では避けましょう。
→ 意味の明確な表現に言いかえることが大切です。
→あいまいな表現は、本文の内容に合った、意味のはっきりした表現に言いかえる。
具体的すぎる表現は、抽象化して書きましょう。
※「りんご」「梨」「イチゴ」などは具体的な例で、それらをまとめた「果物」は抽象的な言葉です。
本文のセリフや表現をそのまま長く写すと評価されないことが多いです。
→ 自分の言葉で要約・言いかえを。
※ただし、問題文に「文章中の言葉を使って」と書いてあれば、長く写しても問題ありません。
むしろ、長く写せるなら長く写した方が良いことが多いです。
「そんなのいやだよ」→
×「そんなのいやだよ」という気持ち
〇「納得できない気持ち」「受け入れたくなかった」など、説明的に言いかえる
「うれしかったんだよ」→
〇「うれしく感じた」「ありがたく思った」など
小説文の記述は、
・「気持ち→きっかけ→背景」の順番で考え、
・「背景→きっかけ→気持ち」の順番で書く、
この手順でしっかり書けるようになります。
「記述が苦手で…」というお子さんでも、型を使って練習すれば必ず上達します。
ぜひ、ご家庭でもこの「型」を使って、一緒にトレーニングしてみてください。
国語でお悩みの方、記述に不安を感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。
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