国語塾直伝!小説文記述パーフェクト攻略マニュアル

      
国語の記述問題の解き方である「型」を指導しているプロ講師。

 

国語の記述問題は「型」で突破できる!小説文の記述パーフェクトガイド

国語の記述問題、特に小説文の記述に苦手意識を持つ方は少なくありません。「どう書けばいいの?」という悩みを解決する鍵は、思考のステップと、それを文章にする「型」にあります。この記事では、英才塾で実際に使われている、記述問題を攻略するためのステップをご紹介します。

記述問題の基本:求められる力と表現のルール

まず、記述問題に臨む上での心構えと、文章を書く際の基本的なルールを確認しましょう。

記述問題で問われる力

説明文では「理由」や「仕組み」が問われますが、小説文では登場人物の「気持ち」やその「きっかけ」を読み解く力が求められます。これらは目に見えないため、セリフや行動といった「見える手がかり」に注目することが重要です。

高得点につながる5つの表現ポイント

文章を作成する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 比喩表現を使わない:「〜のようだ」といった比喩的な言葉は避け、意味の明確な表現に言い換えます。比喩表現は、あいまいな表現として減点されます。

  • 曖昧・具体的すぎる表現を避ける:本文に合った明確な言葉を選び、具体例(りんご、梨など)は抽象的な言葉(果物)にまとめることで、字数を節約できます。

  • 本文をそのまま書かない:セリフや表現をそのまま写すのではなく、自分の言葉で要約・言い換えをします。ただし、「文章中の言葉を使って」と指定があれば、その限りではありません。

  • セリフは言い換える:セリフの「」を外し、「納得できない気持ち」のように説明的な表現に直します。
    「そんなのおかしいよ!」→納得できない気持ち。

  • 話し言葉は書き言葉に:「うれしかったんだよ。」といった話し言葉を、うれしく感じた。のような書き言葉に直します。


小説文の記述を解く「3ステップ」と「第1の型」

次に、小説文の記述問題を具体的に解くための思考プロセスと、その文章化の方法を解説します。

思考の3ステップ

記述問題は、以下の3つのステップで情報を整理すると、ぐっと考えやすくなります。

  1. 気持ちを見つける:セリフや行動から登場人物の気持ちを読み取ります。多くの場合、「うれしい」「さびしい」などとは直接書かれていません。

    例文
    「ぼく、もうひとりでできるよ!」→ 見てほしい・成長を伝えたい → 誇らしい

  2. きっかけを見つける:その気持ちになった直接的な原因、「なぜそう感じたのか?」を考えます。

    上記の例文のように「誇らしい気持ち」であれば、それはなぜそうなったのか?と2つの理由を考えます。そのうち、直接的に気持ちに関係している「理由」が「きっかけ」になります。もう一つの理由は、この後出てくる「背景」になります。

  3. 背景を考える:気持ちのさらに奥にある事情や、登場人物を取り巻く状況を考えます。これは、設問で聞かれている「気持ち」になった理由を2つ考えて、きっかけではない方の理由が「背景」であると考えると分かりやすいですね。

    いつもはできなかったけど、がんばってきた等が「背景」です。

ステップで考えた内容を「型」にあてはめる

整理した情報を、以下の「第1の型」に当てはめて文章にします。 <背景>が(のに)、<きっかけ・理由>ので、<気持ち>。

  • 接続語:「が」「のに」は背景ときっかけを、「ので」はきっかけと気持ちをつなぎます。

  • 文末:「〜な気持ち。」で締めくくると、減点されにくい答案になります。

  • 例文1: いつも親と一緒にいた、この日は一人で留守番することになったので、不安な気持ち

  • 例文2: 前はうまくできなかったのに、今回は自分ひとりで成功できたので、誇らしい気持ち。 まずはこの型を繰り返し練習して、体得しましょう。


応用編:複雑な問題に対応する「型」とテクニック

より複雑な問題や、高得点を狙うための応用テクニックを紹介します。

3-1. 気持ちの変化を書く型

登場人物の気持ちの変化を問う問題には、以下の型で記述するのが有効です。
変化前の気持ち → が → きっかけ → ので → 変化後の気持ち → になった。

  • 例文:はじめは知らない人ばかりで不安だったが、先生がやさしく声をかけてくれたので、安心した気持ちになった。

3-2. 複数の要素を書く型

  • 2つの気持ちを書く型:「うれしいとともに、楽しい」のように、「〜とともに」「〜と同時に」を使って複数の感情を表現します。

    仲間と協力して目標を達成できたことが誇らしい
    とともに、
    その時間がとても楽しかったと感じている。

  • 理由を分ける型:「彼は病気のため、学校を休むことになったので、クラスのみんなが心配したから。」のように「ため」「ので」「から」を使い分け、説得力のある文章を作成しましょう。
    ※使う順番は、ため→ので→からにすると、自然な文章が作れます。

    例文
    彼は病気のため学校を休むことになったのでクラスのみんなが心配したから


    もっと、分かりやすくお話ししますね。

    それでは、上の例文でみんなが心配したのはなぜでしょうか?
    「心配する気持ち」になった理由を、「なぜ?」と考えることが大切です。

    例文では、「心配」が気持ちですよね。
    その気持ちになった理由は、①彼が病気であること、②学校を休むことになったことの2つです。

    このように、理由が2つある場合は、①+「ため」→②+「ので」→「から」の順番で書くと、自然で説得力のある文章になります。

3-3. 「なぜですか?」への答え方

「なぜですか?」と聞かれたら、小説文では、単に「〜から。」で終わらせるのではなく、直前に「気持ち」を入れることがポイントです。 〜+(気持ち)+から。

  • 例文:ずっと一人で練習を続けていた、その姿を見て先生が声をかけてくれたのでがんばってよかったと嬉しく思ったから

    もし嬉しいという気持ちを書かずに、「頑張って良かったと思ったから。」だけで書いてしまうと、
    気持ちが設問の要素(採点の重要なポイント)の一つになっている場合、
    記述問題では大きく減点
    されてしまいます。

3-4. 感情説明のテクニック

「感情を説明しなさい」と問われた場合、文末は「〜ている。」の形にします。
「うれしい気持ち。」のように「気持ち。」で文末を終わらせるのではなく、「うれしく思っている。」で文章を終わらせます。
「悲しい気持ち」であれば、「悲しんでいる。」ですね。

「感情を説明しなさい」は、「~ている。」で答える、と覚えると良いでしょう。

3-5. 「どういうことですか」への答え方

この問いには、まず文章を意味の切れるところで分け、それぞれを言い換えた上で、一つの文につなぎます。

※例文は、前半部分と後半部分の2つに分けて、それぞれを言い換えて繋げていますね。この解法は全ての問題で使えるわけではないですが、出来る限り使っていきましょう。聖光学院のホームページでも数年前に紹介されました。

例文と説明

例:「自然と人間が共に生きることの大切さを忘れてしまった/現代人への警鐘

  • 前半は「自然と協力して生きる大切さを軽視していること

  • 後半は「それを現代人に注意を呼びかけていること」と言いかえます。

これらをつなげると、 「自然と協力して生きる大切さを軽視している現代人に、それ(注1)を思い出させようと注意を呼びかけていること。」となります。

(注1)記述問題の解答の中に、原則として指示語が入っていてはいけません。
    ですが、指示語のさしている内容が記述の答えの中にある場合はOKです。
    これも良く知られているテクニックですので、覚えておいてください。


まとめ:記述問題は「3ステップ+型」で突破できる!

小説文の記述は、

  • 「気持ち→きっかけ→背景」の順番で記述する内容を考え、

  • 「背景→きっかけ→気持ち」の順番で書く という手順で取り組めば、必ず上達します。
    国語の記述が苦手な方でも、この「型」を使って練習すれば、論理的で分かりやすい文章が書けるようになります。ぜひ、ご家庭でのトレーニングにこの方法を取り入れてみてください。


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